子宮筋腫という腫瘍
子宮筋腫とは筋肉と線維組織からなる良性(非癌性)の腫瘍(しゅよう)のことです。サルコメア(筋節)のない筋肉である平滑筋の中に瘤のような塊(筋腫)ができます。子宮は腹膜によって覆われ、その内側を筋層が覆っていますが、これは分娩時に子宮の収縮に対応できるよう、そのような仕組みになっています。
平滑筋は、この筋層を構成しているのですが、子宮筋腫はこの非常に伸縮性のある場所にできるために、とても大きくなってしまうこともあります(顕微鏡レベルでなければ確認できないものもあります)。大きくなり過ぎてしまった筋腫は、必要な血液を十分得ることが出来なくなるために変性を起こすこともあります。
女性ホルモンと子宮筋腫の関係
子宮筋腫は女性ホルモンの内のエストロゲンが筋肉細胞に作用して起ると考えられています。筋肉細胞がこのエストロゲンに対して強い感受性を持っているケースと、筋肉組織の感受性は通常レベルであっても、エストロゲンの分泌量が過剰なケース、また、この両方が複合的に作用しているケースなどが考えられます。エストロゲン分泌の盛んな妊娠中に大きくなり、この分泌が減少する閉経後は縮小することが分かっています。
エストロゲンの影響は初経が早いほど大きくなります。もうひとつの女性ホルモンであるプロゲステロンは子宮筋腫を抑制する働きがあると言われていて、妊娠中は特に分泌が活発になるのですが、近年の晩婚化、少子化の影響で、プロゲステロンの抑制作用を十分に受けられない女性が増えているようです。子宮筋腫を発症する人が多い背景には、そのような理由もあるといえるようです。
ガンの可能性は?
子宮筋腫と聞くと一般的には「ガン」と結びつけて考えてしまいがちですが、子宮筋腫は良性の腫瘍ですからガンのような組織の破壊や転移といったことが起きることはありません。子宮筋腫であるからガンになりやすいといった事もありませんので、何らかの症状が見られた場合も必要以上に不安がらず、適切な治療をすることが第一と考えて下さい。